いい音って?

いい音って?

初めていらっしゃるお客様の中には「私は素人でそんなに耳がよくないもので・・・」とか、言われる方がいらっしゃいます。それがけっこうな割合で多かったりします。

「いやいやいやいや。お客さんはまだ、お若いでしょう?私はモスキート音も怪しいですよ!」

なんて返すのですが、その通りだからしょうがない・・・

若い方は耳のレンジがめちゃくちゃ広いから、私より耳がよくないなんてことはおおよそないと思います。

だけど、今でも私がこの職業を続けていられるのは、カーオーディオと言う世界での「良い音」を知っているからかも知れません。

ホームオーディオと違って、カーオーディオは、ユニット、インストール、調整、など、かなり複雑な要素が合わさって初めて「良い音」が奏でられます。

そして、車の中での良い音とはリスナー(一般に、運転席に座っている人)の耳に届いた各スピーカーの音の位相が合っている事が、まずは絶対条件です。それは池の波紋に似ています。

なぜなら音も波長(波紋)だから。フロント3Way+サブウーハーを考えてください。

次に夜明け近くの池のほとりにあなたは立っているとイメージします。

静かな波のない池に向かってまずは小石を投げてみます。

すると、落ちた場所に小さな波紋ができて、その波紋が何秒後かに自分の立つ岸部にたどり着きます。

次に中くらいの石を投げてみます。さっきより少し大きな波紋が立ち、さっきより少し大きな波紋が自分の立つ岸部にたどり着きました。

さらに大きな石を両手で持って、「えいっ!」っと投げ入れました。「どぷんっ!」今までで一番大きな波紋が来ます。

さらにさらに、もう、渾身の力を出さないと持てないような、おーきな石を、二、三回弾みを付けて投げてみます。

「どっぷ~ん!!!」

もう、水しぶきが靴を濡らすくらい大きな波紋がすぐ近くで起こりました。

「ハア、ハア、ハア、ハア・・・」

もう、お分かりですよね。(笑)

最初に投げた小石はツィーター、次はスコーカー、そして、ミットバス、最後がサブウーハーです。

車のなかであなたがデッキに入れたCDの音源は、アンプで増幅され、各スピーカーから波動(波紋)となって放出され、あなたの耳に届くのです。

しかもその音源は、全て同時に投げ込まれた石のように一斉にわっ!っと波紋を産み出します。

だから、最初はバラバラの波紋がバラバラのタイミングで、バラバラの大きさであなたの耳に届きます。

サブウーハーと言う大きい石の波紋にツィーターの波紋が、かき消されたり、左右の波紋は、波紋同士でお互いにぶつかって乱れたり、打ち消しあったりで自分が立つ岸部には、全ての波紋がきれいに届いてきません。

そこでプロセッサーです。同時に着水した石で出来た波紋をタイムアライメントを使って石を遠くに投げたり近くにしたりして、岸部に届くタイミングを合わせたり、レベル調整で波紋の大きさを変えてみたり、クロスオーバーで波紋が消えるまでの時間を調整したり、イコライザーで波紋の形を○にしたり、いびつにしたりして、自分が立つ岸部に全ての波紋がぴったり同時に、しかもきれいな形で届かせるのです。

これが調整で、それが基本の「良い音」です。

そこから水に何色をつけて感動を作り出すのかは、インストーラーのお楽しみです!(笑)